2024年4月15日

ファーストミニッツ改 リアのRMマウント化

今までメカ系はほぼファーストミニッツ純正で頑張ってきましたが、パワーの向上でスロットルON時の巻き込みが酷くなってきました。スロットルを優しく握れば良いとはいうものの、ファーストミニッツの純正送信機なのでそこまで細かい調整が効くわけでもなく…

また、対策としてリアグリップを上げようにも純正リア軸にはネジが切られていないのでワイドホイールが装着できません。スロットルON時のドリフトを抑えるためのデフ投入もできません…


というわけで、これまでの投資額としては最大となるRMモーターマウントを投入することにします。購入したのはモーターケースセットRM(990円)、RWD用デフギアアッセンブリー(743円)、ピニオンギヤセットMZ6BK (550円) です。ベアリングの630と520も数個必要です。別途これまでにマルチホイールIIのナロー(フロント用)とワイド(リア用)も入手しています。そろそろ投資総額1万円に近付いていますが、送受信機をファーストミニッツ純正で頑張っているのでRWDを買うよりはまだまだ安いはずです。

ミニッツのモーターケース流用は、ネット上にもHMマウントに交換している方とか多数いるので珍しいことではありませんが、そもそも6V用のミニッツマウントとファーストミニッツのモーターケースではギア比が全然違います。

・ミニッツはピニオン6Tとして、ファイナルギア44Tなので減速比 7.33
・ファーストミニッツはピニオン9T、スパーギア26T/10T、ファイナル50Tで減速比 14.44

実はうちでもRMマウントを購入したのはだいぶ前だったのですが、単に装着しただけでは減速比の違いでモーターに流れる電流が大幅に増えて、カーペット路面ではドライバの保護機能が働いて頻繁に停止する上に加速も大幅悪化しいまいちな結果でした。

その後ここまでの改造履歴と、フロントのベアリング化で畳路面でならRMマウントの方が良さそうになってきたので今回紹介します。


いきなり装着後の比較ですが、純正モーターケースは位置としてはHMマウント的なかんじです。


これがRMマウントにすると相当に低重心化されます。特にリポ化で電池重量がほぼ無いうちの車体には影響大です(笑)  それと重量物が後端に着くので、車体のヨー回転モーメントが大きくなりスピンしにくくなるはずです。

リアホイールはもちろんワイド(オフセット0)を選んだので、フロントとリアのホイールデザインが揃いました。


FDのボディとの見た目マッチングも良いです。実車なら車検はギリギリ通りませんね。

肝心の走行性能ですが、ものすごく良くなりました。今まで畳の上ではスロットルONでリアが流れて不用意に向きが変わるので非常に操縦しにくかったのですがそれが無くなりました。せっかく追加したニュートラルブレーキは、スロットルを完全OFFにしないと生かせないのでOFF-ON時の挙動がマイルドになったのは非常に助かります。下の動画はファーストミニッツ純正モーター、ピニオン6T、ニュートラルブレーキ0.6、ブレーキ0.9の設定でニュートラルブレーキのみで走っています。

と言いますか、RMマウント化するとリアの駆動抵抗が大幅に減るせいでパワーOFF時の空走距離が非常に伸びて、ブレーキ機能が無いと室内ではまったく全開にできません。そういう意味でも購入直後ではなく今投入してやっと良い結果が得られました。


他にも、デフが入ったのでパワーON時にぴょんぴょんリアが跳ねなくなったとか、そもそもワイドホイール可でリアの限界が上がったとか、全てにおいて良いことずくめです。もちろん加速性能は落ちましたが、見てのとおり畳1枚分の直線があれば十分に良い加速ができます。ただしパイロン遊びのようにコース全体が畳1枚分しか無いような所だと純正ギアの方が良いでしょう。

今のところは六畳間でしばらく走っても過負荷によるモーターカットは働いていませんが、念のため後でFETの容量を強化したいと思います。

ファーストミニッツ改 フロントアクスルの2mmビス化

ブレーキの追加でだいぶ速度域が上がってきたので、重い腰を上げてフロントホイール回りのガタを取る改造に取り掛かります。

具体的には嵌め殺しのピンでとまっているところを、ピンを破壊して2mmビスに交換してナット止めにします。ベアリングを入れられるので走行抵抗も減るでしょう。
( 他の方の作例 https://missilechewbacca.net/rc/mini-z/first-mini-z/fix-first-mini-z/ )

このピンを抜くのですが、あとで分解するとわかりますがまず抜けません。


ホイールのふちを金属の台にひっかけて、センターの軸を外からピンで叩き出そうとしたら、あっというまにホイールが割れました。ショック…

あきらめて内側のピンの頭をラジペンのニッパー部で切り飛ばしました。こんなに長いプラパーツと一体化してたらそりゃ抜けるはずありません。ニッパーの形によっては肝心のナックル側が少しダメージを受けますが、どうせあとでヤスリ掛けするところなので問題ないです。

ホイール内側のよくわからない樹脂スペーサーも取ります。接着はされてないんですがどうにも取れなかったのでこれもニッパーで切って取りました。

と言いつつ、片側のホイールを割ってしまったのでとりあえず新品ホイールを投入します。形状はもとのホイールと同じなのでどちらでもOKです。

後は他の方もやっているようにビスを通します。17mmくらいが良いらしいですが、ナックル樹脂の内側を少しヤスリ掛けして低くしたら、15mmで別にいいような気がしたのでうちではそうしました。

15mmビスを使った場合の頭の飛び出しはこのくらいです。あと1mmくらいある方が安心ではありますが。

目的がガタ取りなのでただビスを刺しただけじゃ意味がありません。ナックル側にガチガチに接着します。本当は先っちょの3mmくらいを除いてネジが切ってない方が良いのですがそんな都合の良い2mm半ネジは見つかりませんでした。

このあと単にホイールを付けるだけだと、ビスが2mmより細いぶんホイール側のベアリングとビスの間にガタが生じます。正直もとのファーストミニッツアクスルとガタが同レベルだったので、ベアリング内周とビスの間もどうにかして埋めます。この写真ではテープを巻いていますが、これはテープが肉厚すぎてうまく行きませんでした。写真はないですがこの後ネジロック材をビスに何度もベタ塗りしてなんとかガタが無いようにしました。結局ビスをナックルにも接着、ホイールのベアリング内周にも(ネジロック材で)やや接着したようなことになりました。

ナイロンロックナットを持ってないので普通の2mmナット+ネジロック…

まあ、ガタは減りましたがこの時点では特に走行性能の違いは感じられませんでした。なんせリアの車軸がキュルキュルのガタガタですからね…

2024年4月9日

ファーストミニッツ ブレーキ追加手順

前回のファストミニッツへのブレーキ追加のメイキング解説です。ファーストミニッツ受信基板のスロットル信号をマイコンに送り、マイコンで生成したスロットルとブレーキ信号を左側のモーターコントローラICに送ります。

実体配線図を載せます。これまでの改造に必要な1Sリポ化と、ステアリングサーボ化の配線も含んでいます。青がバック、緑が前進のPWM信号です。4本の配線をマイコンとの間に繋ぐとともに、右のRXICから左のモーターコントローラICに信号を送っている2本のパターンをカットしています。上の画像で4本平行に走っているパターンのうち上2本をカットしてください。

参考に、RX基板とマイコンのはんだ付け部分の写真を載せておきます。



前回のステアリングサーボ化を含むプログラムコードをここにおいておきます。ステアリングサーボ化の記事を参考に、arduino環境でRP2040-Zero の開発環境をセットアップして書き込んでください。

コード先頭にdefine文でパラメータ設定があります。今回増えたのは以下の2つです。
#define BRAKE 1.0   // ブレーキ強度  NBRAKEと合計で最大1.5
#define NBRAKE 0.5  // ニュートラルブレーキ強度 0~1.5

上の0.5はニュートラルブレーキだけで走れるくらい強くききます。ブレーキを使える人はもっと弱くして良いかも。

2024年4月7日

ファーストミニッツ改 ブレーキ & ニュートラルブレーキ追加

 今までファーストミニッツFDに、主にステアリング方向の機能を追加してがんばってきました。まだまだ改善の余地はありますがその前に、リポ化とトルクチューン2モーターで速度が上がってきてブレーキが無いのが致命的な問題になってきました。

もともとファーストミニッツ基板は後進側、ニュートラルともに一切ブレーキがかからず空転します。6畳程度のスペースでは全然速度を出せないのでちょんちょんスロットルを握るだけでそれでも大回りしかできずストレスがたまる走りです。
https://www.youtube.com/watch?v=JHdpEws3hfE

モーターコントローラはこの写真の左から2番目の石です。型番が印字されてないので詳細不明ですが、とにかく上側の内側ピン2本が前進と後進のシグナル入力で、下側の外側2本のピンがモーターへの出力です。ニュートラル時はシグナル入力が2本ともLなのでモーターが切り離され、どちらかがHだとそっち側に回転するように電源が接続されます。

ただし、たいていのモーターコントローラでは入力を2本ともHにした場合、モーターの両端がショートされるように接続されブレーキがかかるという機能を持っています。ダメもとで確認したらなんとこの石もブレーキ機能がありました

それなら、ブレーキ指令を入れてやるように信号の間にマイコンを挟んで乗っ取ってしまえばいいじゃない、ということでブレーキを実装してみました。というか既にステアリングはどうやって乗っ取っているので同じことをスロットル側にもするだけなので超簡単です。
とはいえ、配線4本追加とパターンカット2本が要るので、まあ電子工作が怖くない程度の知識は必要です。図が多くなるので詳細は別記事に分けます。


ただ、別記事でやってるジョーゼンNSXの改造のときには市販のモーターコントローラを使ったのでドラッグブレーキ含め常に全力でブレーキがかかっていたのですが、それだとさすがに強すぎて逆に困ります。やはり本家ミニッツと同じように
  • ドラッグブレーキ(ハーフスロットル時にスロットル指定値まで減速するブレーキ)は無し
  • ニュートラル時は弱めにブレーキがかかる (強度はユーザー設定可能)
  • 後進操作時はニュートラルブレーキに加算する形で100%までブレーキが増える
  • 前進時から一度バックに入れ、ニュートラル0.4秒を挟んで再度バックに入れると後退する
という全機能を実装してやることにします。

まあいろいろやってみて、ニュートラルブレーキ30%、残りの70%を通常ブレーキに割り振った状態で、ニュートラルブレーキのみで畳を走ってみたのが下の動画です。タイミングさえ合えばすごいスピードでターンできるので、ブレーキ無しに比べて圧倒的に楽しくなりました。

2024年4月2日

ファーストミニッツ改 トルクチューン2モーター

 うちのファーストミニッツは1Sリポ化してあるので、ミニ四駆のモーターがなんとか使えます。黄色いライトチューンモーター、オレンジのトルクチューン2モーターを入手したところ、ライトチューンは純正モーターよりやや遅い感じ。トルクチューン2は純正とほぼ同じだけど若干速い感じでした。意外と純正すごいです。

実はデフが欲しくてミニッツRWD用のRMマウントも入手したのですが、ギア比が倍くらいロングになり重すぎるので、加速が死ぬほど悪くなる上に頻繁に保護回路が働いて止まってしまいます。

仕方ないので、モーターはトルクチューン2にしますがマウントはファーストミニッツ純正のまま。したがってデフもないリジッドです。たぶんモーター制御のフルブリッジは800mAか1A程度なのでトルクチューンですら始動電流的にはアウトですが、一瞬くらいなら保護回路が働く前に加速するので問題ないようです。0.1uFのおまじないキャパシタも一応つけておきます。

速度感としてはまことに丁度いい感じでした。たたみ部屋で全開だと外周でも曲がり切れないくらいまで来ました。自宅内にウレタンサーキットを常設するようなツワモノを除き、これ以上のパワーではおうちで遊べないでしょう。

この動画を撮ったときは、モーター交換に加えて送信機の切れ角向上+デッドゾーン軽減の改造をしています。フロントのグリップが悪くて結局ステアリング操作がON/OFF的になるのは変わっていませんが、デッドゾーンが軽減されたので舵戻しのタイミングが左右で同じになり体感的な操作性は上がっています。(内容ややこしいので後で別記事公開します)

これだけ速度が出るようになってくると、ブレーキが一切効かないために一度速度を乗せるとどのコーナーも大回りになってしまって面白くありません。もちろん加速をやめて最高速自体を下げれば小回りできてタイムは上がりますが、それでは爽快感がありません。

2024年3月20日

ファーストミニッツ改 ここまでの走行動画と送信機の問題

 ファーストミニッツの送受信機を生かしたまま変換マイコンでサーボ化するという技でステアリングの保持力がサーボの能力で決まるようになったのでだいぶコントローラブルになりました。

定番タイヤらしいフロントにローハイトスリック、リアにレーシングラジアル30(ホイールがナローなのではみ出し)を履かせて4畳半のたたみ部屋で走ってみたのが以下の動画です。
実はリアの巻き込みがひどくてあまりコントローラブルでは無いのですが、リポ3.7V化でだいぶ速くなってるので全開まで握るとオーバースピードで曲がれないところをどうにか走らせるのが楽しいです。

しかしながら、現状ではやっつけ改造のジョーゼンNSXにも操作フィーリングで負けている気がしています。↓比較用にジョーゼンNSX改の四畳半動画


たたみの継ぎ目で跳ねるところとか、車体の素性はサスありのファーストミニッツの方が確実に良いのですが、ファーストミニッツの操作フィーリングを損なっているいちばんの原因は送信機のしょぼさです。

まず操作ホイールの操作範囲が狭すぎる。±20度くらいしか動く範囲が無くて、全角でも45度くらい。普通のTXは±30度くらいはあるのでこの時点で微妙な操作が困難です。

さらにもっと大きい問題は、ファーストミニッツの送信機のデッドバンド設定です。これは車体側のやっつけプロポーショナル機構とも関係があります。普通のTXはサーボ角度のPPM信号を常に送るので、センター位置は送信機のホイールがバネで戻る位置というだけで信号上の特別な意味は無く、センターから少しでもホイールを動かせばその分だけ必ず信号が変化します。

対してファーストミニッツの操舵機構は車体側がバネでセンターに戻るのでニュートラル時には送信機からの信号無しである必要があり、送信機側にはトリムもありません。送信機の可変抵抗には個体差や経年変化があるので、それをどう吸収するかというとバインド直後のホイール位置を自動的にセンターと扱うように自動補正していて、さらにホイールが少し動いてもすぐには信号が出ないデッドバンドが設定されています。しかしこうやってセンターが少し変わったりするとどちらかにステアリング操作が偏って切れ角がいっぱいにならないといった問題が出るので、ホイール操作範囲の半分くらいのところで信号としては最大切れ角になるような設定になっており、ホイール操作量が小さいところも大きいところもデッドバンドがあります。さらにこれが右と左ではデッドバンドの具合も違います。検証のために2台買って確認しましたがどちらの送信機もほぼ同じでした。


注:測定したわけではなくふんいき図です

結局、ただでさえ20度くらいしかない操作範囲がデッドバンドのせいでさらに半分くらいの10度くらいになっているので、とても微妙な操作ができるはずがないです。そもそもメカニカルに微妙な操作ができなくて事実上ON/OFF操作になるためこれでも問題にならないのでしょう。ちゃんと信号が出始めてからMAXになるまでの比例区間はだいたいリニアな信号が送られているのに、範囲設定が雑すぎる。

それならば可変抵抗の値を送信機内のマイコンが読み取る部分にオペアンプでも挿入して、電圧を拡大とか縮小して少しでも改良できないかと思ったのですが、可変抵抗読み取り部分を調べていたら、なんと電圧としての読み取りはしていませんでした。
下の写真の黄色がオシロスコープで見た可変抵抗の読み取りピン電圧です。

3Vから0Vに向かって下側に三角形のトゲのようなものが出ていてこのトゲの幅がホイールやスロットルトリガーの操作で変化します。一本目のトゲ幅がスロットル、二本目がステアリング角度で変わります。

しばらく意味が分からなかったのですが、どうやらこれはアナログ入力ピンではなく、デジタル入力ピンのようです。そしてこのピンが可変抵抗2個につながっており、同時にキャパシタを経由してグランドにもつながっています。トゲが見えるところでは一瞬このピンをグランドに落としてキャパシタを放電させ、直後に入力モードに戻します。そしてどちらか一方の可変抵抗の反対側をデジタル出力で3Vにすることで、じわじわと可変抵抗を通じてキャパシタを充電します。1.5Vくらいでデジタル入力ピンがHだと認識したところで、そこまでの時間を計っておくことで可変抵抗を読み取っているようです。このやり方だとマイコンにADC機能は要りませんし、読み取る瞬間以外には可変抵抗に電流が流れないので消費電力も最小です。あたま良すぎる…
しかしこうなると、アナログ的に手を出すのは難しく、送信機をだますにはこの入力ピンに入る信号のL→Hの時間を何らかの方法で作り出す必要があります。結局ここもまた追加マイコンが必要か…

2024年2月14日

ジョーゼン NSX ホビラジ化

1500円で購入したjozenのNSXをホビラジ化してみます。ミニッツと比べて車体の構造も安っぽいし送信機もだめだめなので惜しいところは何もありません。モーターのパワーはファーストミニッツと同等です。

ホビラジ化なのでステアリングサーボをどう埋め込むかだけです。余っていたHK5220サーボを使いました。1.7g~1.9gサーボとして売られているものならだいたい同じサイズだと思います。適当にプラ棒とプラ板で左右にスペーサーをつくり、ビニテ張りで厚みを微調整して押し込みました。

 
位置決めと外れ止めのために上蓋にプラ棒を2本接着しました。この隙間にサーボの耳が入り
ます。

もともとセンタリング用に付属していたバネをカットして、サーボホーンに溶着埋め込みします。あまりの線材を焼いてタイロッドに穴もあけておきます。

こんな感じに、無駄なく操舵機構ができました。ガタもそんなに無いし、バネ鋼を使ってるので弾性変形してサーボセイバーの役目もするかもしれません。

モータードライバはaliexpresで150円くらいで売られていたものを使いました。1Aタイプなのでストール電流(3Aくらい)には足りないのですが、今のところ問題なさそうです。念のため3Aタイプのものも買ってあります。

受信機はturboracingのRX41を使いましたが、ケースorコネクタどちらかが邪魔なので、今回はコネクタはそのままでケースを外してシャーシのサイドに縦に押し込みました。車体側もピンに当たるところだけカットしてあります。

臓物が極端にシンプルなのでボティもそのまま装着可です。かっこいいー

電池は1Sリポにしてあります。だいぶ元気になります。

このシャーシ最大の難点はフロアに無駄な突起部分が多いことです。ボディの見た目としてはそんなに車高が低くないのにすぐひっかかります。

おへや走行動画は以下





2024年2月4日

ファーストミニッツ サーボ内蔵

 さて、リポ化とサーボ信号コンバータ作成でお膳立てがととのったので、物理的に1.9gサーボをステアリング用に載せます。ここはどんなやり方でも構わないのでネット上の先人の皆さんのやり方でも構いません。一応以下にうちでやったやり方を載せておきます。

サーボはサイズ的に1.9gとか2gクラスが良いと思います。うちは手持ちのHK5330を使いましたが、在庫切れのまま販売していないようなのでコンパチ品であるK110ヘリのサーボが良いと思います。

次に、もともとマイクロモーターがはまっていた2枚のリブのうち前側の切り欠き左右(黄色でなぞった所)を少しだけニッパーでカットして広げます。うちの建付け具合では後ろ側のプレートは触らないで大丈夫でした。

1.9gサーボをぐにっとはめ込みます。後ろ側のリブは無加工なのでうちでは挟むだけで抑えパーツや接着剤は無しで十分にがっちり挟まれています。

最初はこうやって元の弓形ギアを活用してみたんですが、どうにもこれだとステアの切れ角が不足しています。サーボホーンの長さはこれ以上増やしづらいのでもう少し改造します。
具体的にはタイロッドを車軸の後ろ側に持ってきます。

まずはタイロッドが通る穴をキングピンより後ろ側に同じように空けます。

実際はこれよりもう少し前側まで空けないといけません。まあその辺はヤスリとかで随時現物合わせしてください…


シャーシ側も、前側のラインに合わせて黄色い斜線部を切り取ります。

アッパーマウントもサーボと干渉するところを切り取ります。

せっかくなのでタイロッドのストッパーを削って極薄にします。
タイロッドの切り欠きは後ろ側を向けて、サーボホーンに植えたネジで動かします。

なんだかんだで、無事に付きました。
この状態でセンタリング調整とか左右のエンドポイント調整をします。調整はすべてRP2040のソフト内からarduinoスケッチを送り込んで行います。ソースコード先頭の"TRIM"とか"DR"の値をいじって書き込み。どうしても左右が合わない場合はソースコード後半の左右で別々の倍率をかけているところをいじってください。

そうそう、注意点としてバッテリーまたはUSBコネクタどちらからの電力でもRCは動きますが、同時にONするとUSBコネクタからの電力がリポを過充電する可能性がありよろしくないので注意して避けてください。

止まって据え切り状態でもこのくらいスムーズにステアリングが切れます。こうなると分解能や反応スピードが気になってくるところです。

かなりコンパクトに作ったつもりでしたが、さすがにカバーとサーボは干渉するかどうかきわどいところなのでがっつりカットします。

RP2040基板は収納できないので、あとから車の窓の部分入るであろうあたりに両面テープで設置します。

ちゃんと純正ボディーが余裕をもってつきます。FDかっこいいー 

ファーストミニッツ サーボ信号取り出し

 前回リポ化したファーストミニッツのステアリングをサーボ化するため、まずはレシーバーからステア用モーターの信号を取り出して、サーボ信号に変換します。

ファーストミニッツ受信基板内でのステアリング用(およびメインモーターも)の信号はPWMで、パルス幅のデューティ比が0~100%まで送信機の操作によって変化します。しかもブラシモーターを正転・逆転させなきゃいけないので、ステアリングを右に切ったときと左に切ったときではHブリッジ入力の異なる端子に信号が出力されます。

具体的には、左端のHブリッジドライバの内側2本のピンです。

デューティ比 0%

デューティ比 数%
PWM周波数は8ms間隔 = 125Hzですな

デューティ比 40%くらい

デューティ比 100%
なお、0%でL、100%でHが出ているということはブレーキ機能はありません。

信号を盗み見るピンがわかったので、これを何かのマイコンで認識し、サーボ信号のPPMに変換して出力してやればファーストミニッツ送受信機を生かしたままサーボが使えます。でもなるべく安く簡単に、しかも小さくやる必要があります。

マイコンを石レベルで買ってきて組み込むのは普通の人には難しいでしょうから、USB書き込みができる今どきのarduinoボードみたいなのを探してみたところ、一枚当たりの値段が一番安いのはなんとラズパイ系組み込みマイコンのRP2040ボードのようです。

RP2040を使ったボードもサイズやら値段やらたくさんありそうなので、今回はaliexpressで一枚あたり250円くらいで売られていた Waveshare RP2040-Zero というのを使いました。ピン割り当ては8番にL入力、7番にR入力、サーボ出力は14番ピンとしました。まずはRP2040系ボードをarduinoで使うページを参考に環境構築をして、LEDがレインボーに光るあたりまで動かしてみましょう。(おすすめ参考ページ : https://aloseed.com/it/rp2040_zero/)

サーボ信号変換プログラムは特に悩むこともなく動作確認しながら組めました。ソースコード(inoファイル)はこちらです。ステータスLEDを緑に点灯させるところ以外はごく一般的なarduinoの機能しか使ってないので、RP2040以外のどんなarduinoマイコンにでも移植できると思います。printデバッグで認識されたPWMのデューティ比を確認してみたところ、数%~100%まで5%刻みくらいの分解能で信号が得られるようです。少なくとも10%刻みよりは確実に細かいので、ステアの切り角を左右とも各10~20段階では操作できそうです。
いろいろあって完成後の写真はこんな具合です。RP2040ボードにはバッテリーからの電源、PWM信号の入力2つ、サーボへの電源と信号出力3本が接続されます。開発中なのでサーボはコネクタ経由でつないでいます。線をカットして直でマイコンボードに繋げはさらにコンパクトにできそうです。以下に実体配線図を載せておきます。



まあ、とにかく無事にサーボ駆動信号が出せるようになりました。