2014年9月15日

マブチモーターのガイドでDCモーターの基礎を勉強する

ここしばらくいろいろぐぐってはみたのですが、マブチモーターのサイトにある説明が今の私にはぴったりでした。


このガイドによると、横軸にトルク、縦軸に回転数や電流など様々なものを取ったグラフで考えるとわかりやすく一般的であるとされています。(暗黙のうちに、一定の電圧をかけたとき、という前提が含まれているものと思います)

モーターのトルクはどんな時でも電流にほぼ比例しますから、この表記では縦軸に電流をとったI-Tグラフは右上がりのほぼ直線になります。(正確には出力トルクゼロでも内部のロス分を補う電流I0が要るので、左下は原点を通りませんが)
一定の電圧という前提でいろんなトルクの状態を実現するには、つまり負荷をいろいろ変えたとき、というのが横軸の意味するところだと思います。

外からかけている電圧Vとコイル抵抗をR (どちらも今の議論では定数扱い)、内部で発生している逆起電力をVrとすると V-Vr=I*R が成り立つはずなので、電流がTに対しリニアになるということは、内部逆起電力VrもTに対しリニアに変化しているということです。そして逆起電力は回転数に比例しますから、けっきょく回転数を縦にとったN-Tグラフもリニアという結論が得られ、左上で無負荷回転数N0、右下で静止トルクTsを通る直線になります。
マブチモーターのサイト内flashから引用
URLで貼りたかったんですがflashなのでこうするしかありませんでした
今まで回転数とトルクの関係をイメージしたことはありませんでしたが、このグラフは直線であり、なおかつ誰でも簡単に測定できるN0とTsによって直線の切片、傾きとも完全に確定するというところが便利です。


ここからがこのグラフの本領発揮です。モーターの出力は、回転数×トルクで得られますから、このグラフのN-TグラフにさらにTを掛け算してやれば出力グラフが得られます。

元のN-TグラフはTsでゼロを通りますし、そこに掛け算されるTはT=0でゼロを通るわけですから、この出力グラフはT=0とTsの2箇所でゼロを通る2次曲線になります。
マブチモーター内のflashから引用
従って、モーターが最大パワーを発揮するポイントは回転数が無負荷回転数N0のちょうど半分のところであるということが、モーターの細かい素性を問わず一般論として確定します!

効率グラフの方は出力を消費電力(=V*I)で割ったものですが、これは各種抵抗によって消費されるI0によっていろいろ複雑な形をとるので、パラメータを実測しないとなんとも言えません。
ただこの式から言えることは、各種ロスの合計であるI0が非常に小さければηはN-Tグラフに近づきますので高回転側で最高効率、逆にI0が大きければ若干は低回転側で最高効率のポイントが得られるということです。




ところでマブチモーターのガイドには出てきませんがよく使われるパラメータとして、無負荷回転数/Vの係数であるKv、トルク/電流の係数であるKtがよくモーターの指標として出てきます。
そしてこの両者には Kv=定数/Ktの関係があるそうです。

しかしこれは2つの意味で不満があります。まず1つには、両者に関係があるということはこれは物理的には1つのパラメータです。先ほどのマブチガイドの議論では、最低でもN0,Tsの2パラメータが必要、できればIs,I0を加えた4パラメータがモーターの特性を示すということだったので、まるで足りません。(とはいえN0はKv、IsはKtで表現できるので4つのパラメータが全て独立と言うわけではありませんが)

また、トルクが1/Kvで表現できるというのは、あくまで起電力による内部発生トルクだけでして、抵抗やメカニカルロスで消費される分を考慮した出力トルクではないため、気になる高回転に行くほど不正確になります。

0 件のコメント:

コメントを投稿